持続化補助金:計画書作成のポイント 4【経営方針・目標と今後のプラン】

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「経営方針・目標と今後のプラン」の欄には何を書く?

この記事では、小規模事業者持続化補助金の申請書類のうち、経営計画書の「経営方針・目標と今後のプラン」を書くためのポイントについて解説します。
公募要領で定められている審査項目の一つに、「経営方針・目標と今後のプランの適切性」という項目があります。

  • 経営方針・目標と今後のプランは、自社の強みを踏まえているか。
  • 経営方針・目標と今後のプランは、対象とする市場(商圏)の特性を踏まえているか。

この2点が審査されるうえで重要となってきますので「自社の強み」や「市場のニーズ」と関連付けながら書いていきましょう。

書き始める前に

申請様式(計画書の用紙など)の用意

作成にあたってまず申請様式を用意しましょう。
様式は以下の小規模事業者持続化補助金の公式WEBサイトからダウンロードできます。

書き始める前に:参考サイトについて

書き始める前に採択者の一覧や採択事例集などをチェックし、「どのような事業が採択されているのか」、「自己の事業との共通点はないか」といった点を確認しておきましょう。

書き始める前に:審査項目について

公募要領には、審査の際にチェックされる項目が定められていますので確認しておきましょう。
これらの項目に基づいて加点方式で審査が行われ、総合評価が高い順に採択されていきます。

審査項目(公募要領より抜粋)
自社の経営状況分析の妥当性

自社の経営状況を適切に把握し、自社の製品・サービスや自社の強みも適切に把握しているか。

経営方針・目標と今後のプランの適切性

経営方針・目標と今後のプランは、自社の強みを踏まえているか。
経営方針・目標と今後のプランは、対象とする市場(商圏)の特性を踏まえているか。

補助事業計画の有効性

補助事業計画は具体的で、当該小規模事業者にとって実現可能性が高いものとなっているか。
販路開拓を目指すものとして、補助事業計画は、経営計画の今後の方針・目標を達成するために必要かつ有効なものか。
補助事業計画に小規模事業者ならではの創意工夫の特徴があるか。
補助事業計画には、ITを有効に活用する取組が見られるか。

積算の透明・適切性

補助事業計画に合致した事業実施に必要なものとなっているか。
事業費の計上・ 積算が正確・明確で、真に必要な金額が計上されているか。

書き方のコツ(共通事項)
文字数について

文字数の制限はありませんが、<経営計画>及び<補助事業計画>(Ⅱ.経費明細表、Ⅲ.資金調達方法を除く)は、合計最大8枚程度までと指定されています。
指定の枚数を多少オーバーしたからといって直ちに不合格となるわけではないかと思いますが、できる限り指定の枚数に収まるように作成しましょう。

まずは箇条書きで書いてみよう!

文章を書くのが苦手という方は箇条書きで書くことをオススメします。
また、審査官は大量の申請書を限られた時間で審査しなければならないため、自分で項目を立てて簡潔な記述を意識したほうが要点が伝わりやすくなります。

図表や写真を使おう

文字だけでは審査官にイメージが伝わりにくく、単調な書類となってしまいます。
売上を示すときは表を使う、市場規模を示すためにグラフを使う、新商品の説明にイメージ図を添付する、自社商品の説明に写真を使用するなど審査官にも事業の内容が伝わりやすいよう図表や写真を適度に使うのをオススメします。

平易な文章を心がけましょう

補助金の審査は、経営に関する知識を有する審査官が行いますが、かならずしも各分野・各業種のエキスパートというわけではありません。
できるかぎり専門用語は避け、平易な文章で書くように心がけましょう。
「中高生でも読んで内容がわかるレベルでまとめる」ことを意識するとよいでしょう。

具体的に何を書く?

「経営方針・目標と今後のプラン」とあるとおり、「経営方針」「経営目標」「今後のプラン」に分けたうえで、それぞれの項目を関連付けて書いていくといいでしょう。

経営方針を書く

まずは今後の経営方針について書いていきましょう。
前の項目でSWOT分析を行った場合は、SWOT分析の各項目を掛け合わせて考えてみてもいいでしょう。(クロスSWOT分析)

強み機会

強みを活かして商機を確実にとらえるための方針

弱み機会

弱みを改善し、商機を逃さないための方針

強み脅威

強みを活かして外部のリスクに対応するための方針

弱み脅威

弱みと脅威を理解し、リスクを最小限に抑えるための方針

経営目標を書く

経営方針を書いたら次に経営目標を書いていきます。
目安として、今後3年間の数値目標や3年後の自社の理想の姿を思い描いて書いてみましょう

主に以下のような項目を記載します。

定量目標(今後3年間の数値目標)
  • 売上高・販管費・営業利益などの会計の数字
  • 来客数・クチコミ件数・HPのアクセス数
  • 固定客の数、リピート率

など

定性目標(3年後の自社の姿)
  • 営業の質・接客の質・アフターサービスの質
  • 顧客の満足、良いクチコミ
  • 会社の信頼性、市場内の立場

など

今後のプランを書く

「経営目標」を書いたあとはその目標を達成するための今後のプランを書いていきます。

目標を達成するためには、どのようなアクションを起こす必要があるのか検討します。
必要な行動を一つ一つ具体的に書き出すとともに、いつまでにアクションを起こす必要があるのか目標から逆算して書いてみましょう。

文量は?

「経営方針・目標と今後のプラン」の文量についての目安は0.5ページ~1ページ程度です。
見やすいように表を使用してコンパクトにまとめることを意識しましょう。

「経営方針・目標と今後のプラン」の書き方まとめ

  • 「経営方針」、「経営目標」、「今後のプラン」をそれぞれ関連付けてまとめます。
  • 今後3年間の目標と、目標を達成するためのアクションプランについて掘り下げていきましょう。

ご参考までに、この記事の内容だけではどのように書けばいいかイメージがつきにくいと思いますので、サンプルイメージを以下にお示しします。(必ずしもこのサンプルどおりに書く必要はございません。あくまでも一例としてください。)

当事務所では、申請書類の作成サポートをはじめとした補助金に関連する手続きの支援業務を取り扱っております。
「書類に何を書けばいいのかわからない」、「一人で申請するのは難しい」、「新事業を始めたいが、どんな補助金があるのか」など、お困りごとがあればお気軽にお問い合わせください。

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