持続化補助金:計画書作成のポイント 2【顧客ニーズと市場の動向】

持続化補助金申請書の書き方2 顧客ニーズと市場の動向
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小規模事業者持続化補助金:経営計画(様式2-1)の書き方

はじめて補助金を申請するという方は計画書に何を、どのように書いたらいいのか掴みにくく、申請のハードルが高く感じるかもしれません。
この記事では、小規模事業者持続化補助金(持続化補助金)を活用したいけど経営計画に何を書いたらいいかわからない!という方を対象に書き方のコツをお伝えします。

申請様式(計画書の用紙など)の用意

作成にあたってまず申請様式を用意しましょう。
様式は以下の小規模事業者持続化補助金の公式WEBサイトからダウンロードできます。

書き始める前に:参考サイトについて

書き始める前に採択者の一覧や採択事例集などをチェックし、「どのような事業が採択されているのか」、「自己の事業との共通点はないか」といった点を確認しておきましょう。

書き始める前に:審査項目について

公募要領には、審査の際にチェックされる項目が定められていますので確認しておきましょう。
これらの項目に基づいて加点方式で審査が行われ、総合評価が高い順に採択されていきます。

審査項目(公募要領より抜粋)
自社の経営状況分析の妥当性

自社の経営状況を適切に把握し、自社の製品・サービスや自社の強みも適切に把握しているか。

経営方針・目標と今後のプランの適切性

経営方針・目標と今後のプランは、自社の強みを踏まえているか。
経営方針・目標と今後のプランは、対象とする市場(商圏)の特性を踏まえているか。

補助事業計画の有効性

補助事業計画は具体的で、当該小規模事業者にとって実現可能性が高いものとなっているか。
販路開拓を目指すものとして、補助事業計画は、経営計画の今後の方針・目標を達成するために必要かつ有効なものか。
補助事業計画に小規模事業者ならではの創意工夫の特徴があるか。
補助事業計画には、ITを有効に活用する取組が見られるか。

積算の透明・適切性

補助事業計画に合致した事業実施に必要なものとなっているか。
事業費の計上・ 積算が正確・明確で、真に必要な金額が計上されているか。

書き方のコツ(共通事項)
文字数について

文字数の制限はありませんが、<経営計画>及び<補助事業計画>(Ⅱ.経費明細表、Ⅲ.資金調達方法を除く)は、合計最大8枚程度までと指定されています。
指定の枚数を多少オーバーしたからといって直ちに不合格となるわけではないかと思いますが、できる限り指定の枚数に収まるように作成しましょう。

まずは箇条書きで書いてみよう!

文章を書くのが苦手という方は箇条書きで書くことをオススメします。
また、審査官は大量の申請書を限られた時間で審査しなければならないため、自分で項目を立てて簡潔な記述を意識したほうが要点が伝わりやすくなります。

図表や写真を使おう

文字だけでは審査官にイメージが伝わりにくく、単調な書類となってしまいます。
売上を示すときは表を使う、市場規模を示すためにグラフを使う、新商品の説明にイメージ図を添付する、自社商品の説明に写真を使用するなど審査官にも事業の内容が伝わりやすいよう図表や写真を適度に使うのをオススメします。

平易な文章を心がけましょう

補助金の審査は、経営に関する知識を有する審査官が行いますが、かならずしも各分野・各業種のエキスパートというわけではありません。
できるかぎり専門用語は避け、平易な文章で書くように心がけましょう。
「中高生でも読んで内容がわかるレベルでまとめる」ことを意識するとよいでしょう。

「顧客ニーズと市場の動向」の欄は何を書く?

顧客ニーズと市場の動向には、自社が抱える顧客の状況や自社事業のニーズなどを記載します。
「自社の経営状況分析の妥当性」という審査項目を意識した自己の経営分析と、自社事業が対象とする市場(商圏)の特性、ユーザーニーズの分析が求められます。

主に以下のような項目を記載します。

自社の商品について
  • 商品の説明
  • 商品の特徴・価格
  • 対象顧客
  • 販売経路

など

顧客について
  • 顧客の属性
  • 売上の内容
  • 顧客が自社を選ぶ理由
  • 販売方針

など

売上について
  • 過去の売上データ
  • 販路・流通チャネル
  • 客単価
  • 売上の特徴

など

競合について
  • 競合の特徴
  • 競合商品の特徴・価格
  • 競合の顧客層
  • 自社との相違点

など

市場について
  • 市場の現状
  • 市場の規模
  • 今後の市場見通し
  • 市場全体のニーズ

など

書き方のコツ

上に挙げている項目について、図表を交えながら1ページ程度を目安に書いてみましょう。

タイトルにあるとおり、自分の事業の「顧客ニーズ」と「市場の動向」のそれぞれについて分析をしていきます。
分析をするにあたって、俯瞰視点(マクロの視点)、自己視点(ミクロの視点)の2点から分析や、過去・現在・未来といった三本立ての分析をすると情報の整理がつきやすくなります。

この後に書く補助事業計画で、「これから自分たちで取り組むことは社会のニーズを満たすものなんだ」と審査官を納得させられるものを書くことになりますので、顧客ニーズと市場の分析をしっかり行いましょう。
市場規模や消費者の動向などの情報を示したいときは、政府統計や調査レポート・民間調査会社のアンケートなどが参考になります。情報を引用する際は、必ず引用元を表記しましょう!

市場分析等で参考になるサイト
  • 各省庁が公表している「白書」
  • 各種業界団体が公表しているデータ
  • 民間の調査レポート発行機関(シンクタンク・リサーチ会社・金融機関など)の経済レポート・業界レポートなど

また、文章だけでなく、表・グラフ・写真などを使い、市場のニーズや顧客の分析内容が視覚的に伝わりやすくなるよう作成することがコツです。
そして、書く際には、審査項目を意識して書いていくことが大切です。特に読み手に伝えたい部分は太字にしたりフォントを変えたりして視覚的に伝わりやすいように工夫しましょう。

ニーズ分析の深掘り

顧客のニーズについてマクロ・ミクロ視点での分析や、過去・現在の分析と将来の動向予測などについて記載します。
どのような属性の顧客が多いのか、新規顧客開拓・需要掘り起こしの余地があるのかどうか等について自分なりにニーズを深掘りしてみましょう。

マクロの視点
  • 業界全体から見た顧客ニーズ・トレンド(調査レポート・アンケート、SNS分析、検索サイトの統計など)
  • 業界全体(市場)のトレンドと自己の比較
  • 業界全体(市場)の需要や供給のデータ
  • 業界全体(市場)のトレンドがどのように変化していくかの予測
ミクロの視点
  • 自己の商圏内の市場について分析
    • 市内の同業者の数や過去から現在までの同業者数の推移
    • 対象となる顧客の数(人口等からの推定でも可)
    • 同業者の客単価と自己の客単価の比較

「顧客ニーズと市場の動向」の書き方まとめ

  • 自社が「誰に対して、どのようなモノを、どのように売っているのか」を審査官に伝わるように記述をすることが重要です。
  • 市場などの外部環境については、根拠となるデータを示しつつ客観的に分析する形で掘り下げていきましょう。
  • 審査員はすべての事業に精通しているわけではありませんので、図や写真を交えながらできる限り平易な文章で、伝わりやすく書くように心がけましょう。

ご参考までに、この記事の内容だけではどのように書けばいいかイメージがつきにくいと思いますので、サンプルイメージを以下にお示しします。(必ずしもこのサンプルどおりに書く必要はございません。あくまでも一例としてください。)

当事務所では、申請書類の作成サポートをはじめとした補助金に関連する手続きの支援業務を取り扱っております。
「書類に何を書けばいいのかわからない」、「一人で申請するのは難しい」、「新事業を始めたいが、どんな補助金があるのか」など、お困りごとがあればお気軽にお問い合わせください。

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