持続化補助金:計画書作成のポイント 1【企業概要】

小規模事業者持続化補助金 申請書の書き方 企業概要編
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小規模事業者持続化補助金:経営計画(様式2-1)の書き方

はじめて補助金を申請するという方は計画書に何を、どのように書いたらいいのか掴みにくく、申請のハードルが高く感じるかもしれません。
この記事では、小規模事業者持続化補助金(持続化補助金)を活用したいけど経営計画書に何を書いたらいいかわからない!という方向けに書き方のコツをお伝えします。

まずは申請様式(計画書の用紙など)の用意

作成にあたってまず申請様式を用意しましょう。
様式は以下の小規模事業者持続化補助金の公式WEBサイトからダウンロードできます。

なお、

「経営計画」の記入欄は以下の4項目に分かれています。
  • 企業概要
  • 顧客ニーズと市場の動向
  • 自社や自社の提供する商品・サービスの強み
  • 経営方針・目標と今後のプラン

書き始める前に:参考サイトについて

書き始める前に採択者の一覧や採択事例集などをチェックし、「どのような事業が採択されているのか」、「自己の事業との共通点はないか」といった点を確認しておきましょう。

書き始める前に:審査項目について

公募要領には、審査の際にチェックされる項目が定められていますので確認しておきましょう。
これらの項目に基づいて加点方式で審査が行われ、総合評価が高い順に採択されていきます。

審査項目(公募要領より抜粋)
自社の経営状況分析の妥当性

自社の経営状況を適切に把握し、自社の製品・サービスや自社の強みも適切に把握しているか。

経営方針・目標と今後のプランの適切性

経営方針・目標と今後のプランは、自社の強みを踏まえているか。
経営方針・目標と今後のプランは、対象とする市場(商圏)の特性を踏まえているか。

補助事業計画の有効性

補助事業計画は具体的で、当該小規模事業者にとって実現可能性が高いものとなっているか。
販路開拓を目指すものとして、補助事業計画は、経営計画の今後の方針・目標を達成するために必要かつ有効なものか。
補助事業計画に小規模事業者ならではの創意工夫の特徴があるか。
補助事業計画には、ITを有効に活用する取組が見られるか。

積算の透明・適切性

補助事業計画に合致した事業実施に必要なものとなっているか。
事業費の計上・ 積算が正確・明確で、真に必要な金額が計上されているか。

書き方のコツ

文字数について

文字数の制限はありませんが、<経営計画>及び<補助事業計画>(Ⅱ.経費明細表、Ⅲ.資金調達方法を除く)は、合計最大8枚程度までと指定されています。
指定の枚数を多少オーバーしたからといって直ちに不合格となるわけではないかと思いますが、できる限り指定の枚数に収まるように作成しましょう。

まずは箇条書きで書いてみよう!

文章を書くのが苦手という方は箇条書きで書くことをオススメします。
また、審査官は大量の申請書を限られた時間で審査しなければならないため、自分で項目を立てて簡潔な記述を意識したほうが要点が伝わりやすくなります。

図表や写真を使おう

文字だけでは審査官にイメージが伝わりにくく、単調な書類となってしまいます。
売上を示すときは表を使う、市場規模を示すためにグラフを使う、新商品の説明にイメージ図を添付する、自社商品の説明に写真を使用するなど審査官にも事業の内容が伝わりやすいよう図表や写真を適度に使うのをオススメします。

平易な文章を心がけましょう

補助金の審査は、経営に関する知識を有する審査官が行いますが、かならずしも各分野・各業種のエキスパートというわけではありません。
できるかぎり専門用語は避け、平易な文章で書くように心がけましょう。
「中高生でも読んで内容がわかるレベルでまとめる」ことを意識するとよいでしょう。

それでは実際に様式を手元に準備して、経営計画の「1.企業概要」を書いてみましょう!

企業概要に何を書く?

企業概要には、自社の現在の情報や状況を記載します。
「自社の経営状況分析の妥当性」という審査項目を意識して自己の経営を分析しながら書いていきましょう。

新規の取引先やお客様に、自社を紹介するような形で書いていきましょう。
主に以下のような項目を記載します。

自社の情報
  • 会社名(屋号)・業種
  • 創業年
  • 従業員数・従業員構成
  • 所在地

など

自社の紹介
  • 立地
  • 営業時間
  • 座席数
  • 店舗の外観(写真)

など

経営の沿革・理念
  • 沿革(会社の経歴)
  • 経営理念
  • 経営者の経歴
  • 創業や経営への想い

など

自社の商品(製品・サービス)
  • 商品の説明・写真
  • 商品で自信がある点
  • お客様からの評価
  • セールスポイントにしていること

など

売上の内容
  • 売上が多い商品の紹介
  • 利益率のいい商品の紹介
  • 客単価
  • 売上構成の表やグラフ
    (商品別売上・利益率など)

など

顧客層・取引先
  • 顧客の属性(男女比、年齢構成、グループ構成、住所…)
  • 取引先の規模・業種
  • 自社の商圏・対応エリア
  • 繁忙期・混雑する時間帯

など

経営課題と現況分析(簡潔に)

現在抱えている経営課題について、内部要因と外部要因に分けて考えてみましょう。
また、業績推移などを表やグラフにすると、審査官にも経営の現況が伝わりやすくなります。
後述する項目として「経営目標」や「今後のプラン」といったものがありますので、企業概要の欄で課題を分析し、課題の解決方法を絡めたプランを示すことができれば、全体としてまとまりのある計画書となります。

内部的な課題の説明

後継者問題、人手不足、設備の老朽化、技術の承継、広告宣伝方法など

外部的な課題の説明

物価高による仕入負担増、増税による顧客消費の冷え込み、感染症の影響、競合他社の動向、法改正による事務負担増、少子高齢化や人口流出の影響、特定の取引先への依存・下請け構造の負担など

書き方

上に挙げている項目について、図表を交えながら1ページ程度を目安に書いてみると良いでしょう。
全ての項目について書くとスペースが足りなくなりますので、自己分析をして書ける項目からピックアップします。

文章だけでなく、表・グラフ・写真などを使い、どんな会社(お店)なのか、どのような事業を行っているのか視覚的に伝わりやすくなるよう作成することがコツです。
書く際には、審査項目を意識して書いていくことが大切です。特に読み手に伝えたい部分は太字にしたりフォントを変えたりして視覚的に伝わりやすいように工夫しましょう。

企業概要の書き方まとめ

  • 自社が「どんな商売を、誰に対して、どのように行っているのか」といったことを審査官に伝わるように記述をすることが重要です。
  • 審査員はすべての事業に精通しているわけではありませんので、図や写真を交えながらできる限り平易な文章で、伝わりやすく書くように心がけましょう。

ご参考までに、この記事の内容だけではどのように書けばいいかイメージがつきにくいと思いますので、サンプルイメージを以下にお示しします。(必ずしもこのサンプルどおりに書く必要はございません。あくまでも一例としてください。)

当事務所では、申請書類の作成サポートをはじめとした補助金に関連する手続きの支援業務を取り扱っております。
「書類に何を書けばいいのかわからない」、「一人で申請するのは難しい」、「新事業を始めたいが、どんな補助金があるのか」など、お困りごとがあればお気軽にお問い合わせください。

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