2022年6月から、航空法で定める「無人航空機」の定義が変更され、機体重量が100g以上のドローンを屋外で飛行させる場合は機体登録が義務化されました。
そして、「無人航空機(100g以上のドローン等)」を、特定の場所や特定の方法で飛行させる場合には、機体登録と併せて、国土交通省の許可=いわゆる飛行許可(個別許可・包括許可)が必要となっています。
この記事では、どのようなときに飛行許可が必要で、どのようなときに不要となるのか解説しています。
(注釈)以下、記事中の「ドローン」とは、航空法上機体登録が必要なドローンのことを指し、機体登録が不要な100g未満のドローン・トイドローン等は除きます。
飛行許可の全体図
飛行許可が必要かどうかの判断は、上記のフローチャートに沿って決定していきます。
原則、屋外で「特定飛行」と呼ばれる飛行方法でドローンを飛行させる場合は許可が必要です。
「特定飛行」とは、以下の場所や、方法によってドローンを飛行させることをいいます。(航空法132条の87)
- 空港等の周辺での飛行
- 高度150m以上での飛行
- 人口集中地区(DID)での飛行
- 緊急用務空域での飛行
- 夜間での飛行
- 目視外での飛行
- 人または物との距離を30m以上確保できない状態での飛行
- 催し場所(イベント)上空での飛行
- 危険物の輸送
- 物件投下(農薬散布など)
上記1~10に一つも該当しないものは、許可不要の飛行となります。
練習飛行を行いたい場合は、「屋内での飛行」や「空港等周辺、人口集中地区(DID)緊急用務空域イベント会場周辺に該当せず、人・物との距離を30m以上確保できる場所で、昼間に、目視で飛行させる」ことで許可不要で練習することができます。
「人または物との距離30m」には、電線や信号機なども含まれますし、「目視外での飛行」にはプロポの画面を見ながらの操縦(空撮など)も含まれますので、ドローンを飛行させる事業の大半は特定飛行に該当するといっても過言ではありません。
各飛行パターンについて、正しく理解をしておかないと気が付かないうちに法令違反となっていたという場合もあり得ますので注意しましょう。
立入管理措置とは、ドローンの飛行経路に第三者の立ち入りを制限させる措置のことをいいます。
具体的には、周辺の状況を監視し、口頭で警告する補助者の配置や、立入りを制限するためのコーンや立て看板などの設置などの措置のことです。
立入管理措置を講じない特定飛行(例:第三者の上空をドローンが飛び交うような状況)には、第1種機体認証を受けた機体を使用して、一等操縦者技能資格を保有する者が、飛行許可を得たうえで可能となる非常にハードルが高いものとなっています。(カテゴリーⅢ飛行)
2023年現在、特定飛行を行う場合は、カテゴリーⅢに該当するような飛行(一部の実証実験など)を除いて立入管理措置を講じたうえで飛行させることが必須となっています。
総重量が25kg以上の機体で特定飛行を行う場合は飛行許可が必要になります。(航空法132条の86)
以下のいずれかに該当する場合は、飛行許可が必要となります。(航空法132条の85・同132条の86)
- 空港等周辺の飛行
- 高度150m以上の飛行
- 催し場所(イベント会場)上空の飛行
- 危険物の輸送
- 物件の投下
「第二種機体認証以上の機体+二等以上の操縦者技能証明者」による飛行を行う場合は、
- 人口集中地区(DID)内での飛行
- 夜間での飛行
- 目視外での飛行
- 人または物との距離を30m以上確保できない状態での飛行
上記4種の飛行パターンについては許可が不要となります。(航空法132条の86)
「機体認証+技能証明」がない状態で、上記4種の飛行を行う場合は、飛行許可の取得が必要となります。